栄和堂ブログ

鎌倉の端っこにあった書店「栄和堂」僕らはここを「ブックスペース」として本屋の再発明をしていきます。公式HP http://eiwado.space/

とある事情で、とある鎌倉の端っこで、とある元本屋を借りる

親父の正則です。「ブックスペースという場所をつくる」プロジェクトが始動しました。親子3人のそれぞれの思いと役割で何とか面白いものにしていこうと思っています。プロジェクトの進捗に合わせて思いついたことを綴っていきますのでよろしくお願いします。

の最初のエントリーでこのプロジェクトが始まったきっかけが書かれていましたが、そのあたりをもう少し詳しく述べておこうと思います。ぼくが生まれた鎌倉の藤沢に近い端っこは深沢地区という名で呼ばれています。昔は鎌倉郡深沢村と言っていましたが、昭和23年に鎌倉市に併合されて鎌倉市の一部となりました。ですから、人によっては7つの切り通しの内側である旧市街地を旧鎌倉、深沢や大船、玉縄、腰越を新鎌倉と呼ぶ人もいますが、何となく上から目線を感じて好きではありません。

ということで、ロケーションとしてはテレビなどに登場する鎌倉ではなく観光ガイドブックにも載ることが少ない鎌倉の端っこであることを理解しておいてください。ただ、このへんの土地の歴史などについては追々ご紹介していきますが、何もないというわけではなく歴史を知っていくと大変面白い土地であることに気づいていきます。

そんなところにある元書店を借りることになったのですが、この店はぼくの弟が昨年の3月まで経営していた「 栄和堂 」(和田が栄えるという意味で、和田のITで ワディット と名づけたのと同じような安易さのネーミングですね(笑))という本屋さんでした。始めたのは彼が大学を中退した時ですからかれこれ 40年近くなっていました。その弟が昨年の3月に急逝したのです。

この突然の死で大変なことになりました。奥さんは店にはタッチしていなかったので経営を引き継ぐわけにもいかない。じゃあ、だれか居抜きでやってくれる人がいないかと本の取次店の人に相談したりしましたが、ぼくが税理士さんから聞き出した経営状況を見た時にすぐに判断を下しました。家賃を払ってまでやれる商売ではないという結論でした。


その後、不動産屋さんにテナント募集をかけてもらったりしたのですが、このご時世ではなかなか借り手がつかない状態が続きました。そのまま募集し続けても無理だとして、とりあえずワディットが借りることにしたというわけです。そんな事情だったのですが、そこで何をしたらよいのかをかなり突っ込んで議論した結果出てきたのが「本棚に囲まれたコーヒースタンド併設の憩いのスペースをつくる」なのです。やはり本屋だったという空間を何とか活かしたい、というか本来持っている街の小さな本屋さんの魅力を残したいという気持ちがあったのだと思います。